Word Piece 3

Tak.'s Blog

『カフェパウゼで法学を』の読後感

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献本いただいた『カフェパウゼで法学を』(以下「本書」)を読んだ。

ぼくはぜんぜんアカデミックな人間ではないし、まして法学に関しては完全な素人なので、本書を「書評」することはできないけれど、いくつかのとてもポジティブな「感想」が浮かんできた。

「カフェパウゼ」というのはドイツ語で、英語に直せば「コーヒーブレイク」という意味。

本書「はじめに」によれば、「研究室でコーヒーや紅茶を飲みながら、学問上の悩みについても、生活上の困りごとについても、共有しながら対話をしていく」イメージを言葉にしたものとのことで、つまりは本書に登場する「ぱうぜセンセ」こと著者の横田明美さんの研究室と、そこで行われる営みのことだ。

以前、そのリアル「カフェパウゼ」でコーヒーをごちそうになったことがある。『アウトライナー実践入門』のためのインタビューでおじゃましたのだ 。

「2時間」ということでお願いしたのだが、余裕で時間オーバーし、しかも気がつけばぱうぜセンセ行きつけのお店でお酒を飲みながらライフを語っていたのは、また別の話。

で、そのときリアル「カフェパウゼ」で印象に残ったのは、ぼくが座ったソファのちょうど正面にあった本棚が、いわゆる大学教員の研究室のイメージからすると、ちょっと異質な雰囲気を放っていたことだった。

そこに並んでいたのは必ずしも法学の本だけではなく(そういう本は別の棚に入っている)、経済、社会、ビジネス、実用書の類など一見雑多とも思えるジャンルの本たち。

学生生活にはもちろん、仮に研究者にならなくても卒業して社会人になったときに役に立つだろう本たち、と言ってもいいかもしれない。

実はこの棚は、学生が自由に借りることができる、いわばミニ図書館なのだ。本書の表紙で、ぱうぜセンセが座っている背後の棚がそれだ。

コーヒーを飲み、インタビューをしながら、その「カフェパウゼ」の環境を単純にうらやましく思ったことを覚えている。

その本棚に代表されるリアル「カフェパウゼ」の(そして「ぱうぜセンセ」へのインタビューの)印象を言葉にすると、「誠実で、実用的で、リアルで、厳しい」ということになる。

そして、『カフェパウゼで法学を』という本から受けた印象は、そのリアル「カフェパウゼ」の印象とよく似ている。

本書は、ブログメディア「アシタノレシピ」に連載された「ぱうぜセンセのコメントボックス」と、本書の出版社である弘文堂のウェブメディア「弘文堂スクエア」に連載された「タイムリープカフェ〜法学を学ぶあなたに」がもとになっている。

でも、もちろん発表済みの記事を並べただけではない。厳選して濃縮して煮詰めたみたいになっていて、ずっしりと読み応えがある。

本書は第一義的には「法学」を学ぶ学生を読者として想定している。当然、「法学」そのものについて書かれている部分は、そうでない人間にとってはつき取っやすいものではないのだが、全体としては親しみやすく、楽しく読める工夫が随所にちりばめられている。

挿入される「ぱうぜセンセ」と学生たちとの会話、そして岡野純さんによる一コママンガの魅力はもちろん、地の文も平易で読みやすい。

その両立をするのは、簡単なことではない。「とても誠実な本だな」(訳・きっとたいへんだっただろう)というのは、物書き(のはしくれ)としての感想。

本書の大きな特徴は、「リアルで実用的」という言葉で表せると思う。

本書では、大学で学ぶ上で必要になる知識・スキルが、とても丁寧に解説されている。

「文章を書きながらアウトラインを育てる」という話などは、アウトライナーフリークとしては、個人的につい目がいってしまうのだが、もちろんそれだけでなく、さまざまな課題の中でのリサーチやレポートの書き方の基礎、そして最後の卒論までに必要になる方法論と考え方と心構えが、学年ごとに解説されている。

そして、そうした正統的な(?)論文作法・研究作法的な話に、実にリアルで現実的なノウハウが自然に同居している。

すごくわかりやすい例をあげれば、「PCやプリンタは論文の提出直前に壊れる」という話。

これは大学だけでなく、一般企業でも頻発する、世界中に広く知られた周知の事実だが、この種の本でこのことに言及した本は、あまりないんじゃないかと想像する。

あるいは、レポートや論文を書くときに、実際に取りかかってみないとわからないから、時間があるうちにとりあえず3日取り組んでみるという話。

あるいは、やることリストやトリガーリストなど、タスク管理の方法論。

あるいは、学びの中で必要となるコミュニケーションスキル、特にメールやSNSの使いこなしの話。

こうしたノウハウは、多くの場合「痛い目に」あうことで身についていったものなのだろうが、そんな目にはあわないに越したことはない。その問題にきちんと触れてあるリアルさ。

そこまで含めて、総合的に「読む」ことができるというのは、学生にとってはとてもありがたいことだろう。

その意味で、リアルで実用的。そして、とても親切な本だ。

そして同時に、やわらかい見た目と読み心地に反して、これは厳しい本でもある。

自分が学生の頃にこんな本があったらという感想が浮かんでくるし、これから大学に入る知り合いがいれば、文句なくすすめたい本だとも思う。

それでも、本書の読後感は、そういうことを軽々しく言えないような厳しいものでもある。

ここまで(言語化されてこなかったであろうリアルなあれこれまで)教えられたなら、あとは本人が学び努力することしか残っていないだろうという意味もあるけど、それだけではない。

本書には、単なる学生向けの指南書には終わらない射程の広さがある。

単に大学に入学して勉強して卒業するというだけにとどまらない、大学で学び、それを活かし、さらに学び続けるということ。それを進路(=人生)とどうリンクするかということ。それは当然、楽しいだけの世界ではない。

でも本書は、それを目指す人にとっての確かな道しるべに、そして基準点になると思う。

だから、大学に入って真剣に学びたいという人がもし周囲にいれば、(それが法学かどうかに関わらず)やっぱり文句なく勧めたい本なのだ。

たぬきと存在

幼稚園に通っていた頃、「家でたぬきを飼っている」と主張して先生に怒られたことがある。みんなの前で「嘘はよくないわね」というようなことを言われた。

ぼくは嘘などついていなかった。ぼくの家では「たぬき」という名前の猫を飼っていたのだ。

家に帰って「幼稚園で不当な扱いを受けた」と(もっと子どもらしい言葉で)主張した。

あろうことか、大人たちはその話に大笑いした。それは大人たちにとっては「面白い」話だったのだ。

大人たちの誰かひとりでも、そのことについて先生が言ったことは不当だと認めてくれていたら、ぼくは今とはずいぶん違った人間になっていたのじゃないかと思う。

ぼくはその話を「面白い話」として語らなかったことを深く後悔した。それは、自分という存在が自分の中で位置づけられた瞬間として記憶されている。

自分をあるときには助け、あるときには縛ってきたその位置づけは正しいものだったのか。そんなことは簡単にはわからない。ライフ・アウトラインは常に変わり続けるからだ。

『アウトライン・プロセッシングLIFE』について(4) レベルアップと収束

『アウトライン・プロセッシングLIFE』についての話、そのよん。

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前々回の記事で、『アウトライン・プロセッシングLIFE』がマンダラートから受けた影響について書いたんですが、今回はアウトライン・プロセッシング全般についてマンダラートから受けた影響の話。

ぼくは、アウトライナー上でのアウトライン操作を5つの〈型〉に分類しています。

具体的には、

  • リスティング(書き出し)
  • ブレイクダウン(細分化)
  • グルーピング(分類)
  • レベルアップ(上位階層の探索)
  • ソーティング(並べかえ)

の5つ。

アウトラインの操作とは、この5つの操作を自由に組み合わせることです。

この中で、おそらくいちばんイメージしにくいのが「レベルアップ」ではないでしょうか。

レベルアップとは、ある項目に対して「その上位階層があるとしたら何か」を考えることです。

一見するとグルーピング(項目を分類すること)に似ていますが、レベルアップがグルーピングと異なるのは「元の項目がひとつでもいい」ということです。

グルーピングが単純な「分類」なのに対して、レベルアップは上位のコンテクストを与えることです。あるいは、元の項目を上位のコンテクストの中に組み込むことです。*1

つまり、上位の階層は、元の項目とは一見無関係なものでもいい。ある項目をどんなコンテクストの中に位置づけるかは、あくまでもアウトラインを操作する人が決めることだからです。

アウトライナーを発想ツール的に使うというと、多くの人は「グルービング」をイメージするようです(よく行われる簡易KJ法的な使い方はまさにそうです)。

でも、実は劇的に思考をジャンプさせてくれることが多いのは「レベルアップ」なのです。*2

このレベルアップ操作、やっている人はおそらくたくさんいるはずなのですが、あまり「書かれた」ものを見たことがありません(もちろん、ぼくが知らないだけの可能性もあります)。

で、アウトライン操作としての「レベルアップ」を意識するきっかけを与えてくれたのは、やはりマンダラートです。

マンダラートは、通常は中心セルから周辺セルへと思考を「展開」するのですが、逆に周辺セルから中心セルへと「収束」させる使い方もあります。周辺セルの内容に対応する中心セルは何だろうか、と考えるわけです。

これは周辺セルの「意味」を問うことなのですが、この「収束」の機能をアウトライナーに当てはめたのが「レベルアップ」なのです。

『アウトライン・プロセッシングLIFE』では、個人的なアウトライン・プロセッシングのプロセスを細かく追っていくのですが、読んでいただいた方は、アウトラインが大きく変化する、あるいは成長するきっかけが、多くの場合「レベルアップ」であることがわかると思います。

本書では、たまたま「タスク管理」から出発したアウトラインを例にしていますが、レベルアップが果たす役割は、文章のアウトラインでも同様です。

*1:千葉雅也さんの『勉強の哲学』を読んで以来、これを「有限化」と読んでも差し支えないのではないかと思うようになったのですが、これはちょっと保留にしておきます。

*2:ちなみに、項目がリニアに並び、空間的な配置ができないアウトライナーは、KJ法的な用途にはあまり向いていません。というか、アウトライナーはそもそも「発想ツール」ではないとぼくは思っています。ただし使っているうちに結果的に発想してしまうことは多々あります。

『アウトライン・プロセッシングLIFE』について(3) 割り込みへの対処の話

新刊『アウトライン・プロセッシングLIFE』についての話、そのさん。

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本書の「実用サイド」のハイライトのひとつが、DAYSのアウトラインの上で優先順位を常に更新しながら「割り込み」に対処するところです。

後半では「それだけじゃ足りないよね」という話になっていくのですが、とはいえこの方法はなかなかに強力です(ぼく自身、この方法にはずいぶん救われました)。

本書にも書きましたが、割り込みが何度もくり返されるうちに「それまで何をしていたのか、どこに戻ればいいのかさえわからない」、一種の健忘状態に陥ることって、本当に起こるのです。

で、そんな状況に対処するために、DAYSのアウトラインの上で「今何を抱えていて、どんな順番で何に手を付けているのかを視覚化して、どこに戻っていいかわからなくなることを防ぐ」のですが、この部分だけを取り出せば、アウトライナーがなくても実行できます。

ThingsやTodoistのような、リストを自由に並べかえられるタイプのタスク管理アプリはもちろんですが、「紙」でやることもできます。

この方法のヒントになったのは、実はあのGTD(Getting Things Done)のデビッド・アレンさんが紹介していた方法です。

以下の動画で、アレンさん自身が実演しています。日本語字幕はないのですが、見てるだけでもだいたい分かると思う。

自分の優先順位を守りたくても、割り込みが次から次へとやってくる。そんな状況にどうやって対処するか?

割り込みが入ってきたら、今何をしていたか、何の途中だったかをメモ用紙に書く。そしてトレイ(元祖Inbox!)に入れる。もし物理的な対象物があるなら(読んでいた書類とか、作業していたノートとか)、メモといっしょにクリップでとめておく。

更に割り込みが入ってきたら、同じようにメモして、Inboxに入れる(前のメモ一式の上に重ねて置く)。

こうすることで、「中断された作業」が目に見えるようになり、割り込みがくり返されても「In control」であり続けることができる、というもの。

次から次へと割り込みに追われてアウトライナーに書き込んでる暇すらない、というときは(ライフにはそういうことだってあります)、「紙」を使うアレンさんの方法が役に立つかもしれません。

デスクが使えない状況だったら、小型のカードか、ロディアみたいなすぐに切り取れるメモ用紙に書いて順番に束ねて持っておく、でもいいと思います。

おお、今日は実用っぽい。

この種のノウハウは、たしかに役に立ちます。でも対症療法にすぎないというのも事実です。根本的な解決を見出す前に自分が壊れないための、ちょっとした助けにすぎません。

じゃあ、どうしようかとアウトライナーの上で「考える」。それが本書でやりたかったことのひとつです。

『アウトライン・プロセッシングLIFE』について(2) マンダラートの影響

新刊『アウトライン・プロセッシングLIFE』についての話、そのに。

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Twitterである方に指摘されたのですが(そして一撃で見抜かれたことに驚いたのですが)、本書には出発点となったブログ記事があります。

こぼれ落ちていくもの、五感を使うこと、ネガティブではないこと

本書は『アウトライン・プロセッシング入門』に出てきた「生活のアウトライン」のパートをふくらませることからスタートしたのですが、全体のトーンというか、感覚のベースになったのは、実は上の記事です。

時間は有限であり、与えられたスペース(時間)からは否応なしにこぼれ落ちていくものがある、でもそれはネガティブなことではないという話。

ちょうどこの時期、強烈に実感していたことです(トシのせいですね)。

で、この記事には「マンダラート」の話が出てきます。

マンダラートはデザイナーの今泉浩晃さんが開発した発想技法です。

簡単にいうと、正方形の9つのマス目(マンダラ)の中心にテーマを書き、周辺の8つのセルに思いついたこと、考えたことを書いていくというもの。

最近ではメジャーリーガーの大谷翔平選手が実践していたことでずいぶん注目されました。

ぼくは長いこと、アウトライナーと並行してマンダラートを(主に生活ツールとして)使ってきました。いちばん好きだったのは「手帖」でしたが、今でもマンダラートの(iOSアプリの)ユーザーです*1

自分が「文章を書くこと」を通じて考える傾向があったために、後に(生活ツールとしての用途も)アウトライナーにシフトしていったのですが。

でも、本書は、というか「ライフをアウトラインに乗せる」という発想は、今になって思えばマンダラートの影響を強く受けています*2

マンダラートは発想技法であると同時に、一種の生活哲学という側面があります(アカデミックな意味での「哲学」ではなく「人生哲学」的な意味あいです)。

その「生活哲学性」みたいなものを自分なりに解釈したのが、上の「こぼれ落ちていくもの」の記事や、その中に関連記事として出てくる一連の記事です。

ある時期その影響を強く受けたことが、「ライフ」をアウトラインに乗せることにつながったのだと思います。

今年の3月頃、本書のアウトラインを文字どおり何百回もシェイク(トップダウンとボトムアップを行き来すること)するうちに、「生活」と「人生」という2つの「ライフ」を接続する試み自体がシェイクなのだと思い当たりました。

だからこそ、アウトライン・プロセッシングもまた「生活哲学」なのだと。

それが凝縮されているのが、本書の表紙の「帯」の一文です。

生活(ライフ)は、人生(ライフ)に規定されます。そして人生(ライフ)は、生活(ライフ)の積み重ねに影響を受け、変化していきます。

そのことに気づいてから、ほぼ固まったと思っていた本書の内容はかなり変わりました(そして完成は遅れました( ˘_˘ ))。

ちなみに本書の中で何か所か、今泉さんの文章をオマージュしている(つもりの)ところがあるのですが、どこかはナイショ。

今泉浩晃さんの数あるマンダラート関連の著書は入手が困難になっていたのですが、つい最近ひさびさの著作が電子書籍として発売されました。

『これからの人生論:新しい時代の生き方をデザインする』

興味ある方はチェックしてみてください。

*1:今はなき「マンダラート手帖」は、ぼくがこれまでに使った中でもっとも美しい手帖でした。

*2:本書にも出てくる「アイビー・リーのアドバイス」の話を最初に知ったのも、たしか今泉さんの著書でだったと思います。80年代の終わり頃の話です。

『アウトライン・プロセッシングLIFE』について(1) 過程の物語

新刊『アウトライン・プロセッシングLIFE』についての話、そのいち。

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本書はいちおう「実用書」の体裁を取っています。

もちろん、アウトライン・プロセッシングについての実用書ではあるんですが、実用書の意味がその対象について最短距離で説明するということにあるなら、この本は少し違います。

キャッチフレーズ(?)は、「生活のアウトライン/ライフ・アウトライン」が生まれるまでの過程の物語であり、アウトライナーで文章を書き、考えること、つまりアウトライン・プロセッシングの実例集

この本は「著者が知っていることを教える(説明する)本」ではなく、「著者が知らないこと、わかっていなかったことを探っていく過程(プロセス)を見てもらう」形になっています。

そのあたりは、昨日の記事に載せた各パートのリード文を順番に読んでいただけるとわかると思います。

だから「物語」。

最短距離で実用的な情報を得たい人にとっては、ややもどかしい感じ、「いいから結論は!?」になってるかもしれません。

でも、これは確信犯だから仕方ない。

なんでそんなことをするのかというと、アウトライン・プロセッシングについては、「結論だけ」「結果だけ」「最終形だけ」書いてもあんまり意味がない気がしているからです。

いや、「意味がない」は言い過ぎですが、それだけじゃ足りないことは間違いないと思っています。

単に「そういう本が自分で好きだから」というのも大きな理由ですが。

楽しんで読める「物語」を目指しました。興味を持っていただけましたら、ぜひ。

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『アウトライン・プロセッシングLIFE』出版しました

こちらでの告知が遅れてしまいましたが、新刊のお知らせです。

タイトルは『アウトライン・プロセッシングLIFE 〜アウトライナーで書く「生活」と「人生」』。KDPによるセルフ・パブリッシングです。

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『アウトライン・プロセッシング入門』の、そして『アウトライナー実践入門』の続編であり、応用編です。

テーマは、前2作で少し触れた「生活のアウトライン/ライフ・アウトライン」と呼んでいたアウトライン。

6月29日の発売ですが、ありがたいことにすでにいくつかの感想・レビューなどもいただいております。

本書は「タスク管理」の話からスタートします。でも、「アウトライナーによるタスク管理」の本ではありません。

タスクを扱う話も(かなりみっちりと)入ってはいますが、本書はあくまでもアウトライン・プロセッシングの本です。 

「生活のアウトライン/ライフ・アウトライン」が生まれるまでの過程の物語であり、アウトライナーで文章を書き、考えること、つまりアウトライン・プロセッシングの実例集です。

 『アウトライン・プロセッシング入門』のときに「もう少し見本が見たい」という声をいただいたことを踏まえ、今回は大量のスクリーンショット(94枚!) 使って、さまざまなアウトライン操作の過程を徹底的に見ていただくようにしています。

詳細な目次はランディングページを見ていただくとして(一部の内容も読めるようになってます)、ここでは雰囲気を感じていただくために各パートのリード文を並べてみます。

本編の前に……アウトライン・プロセッシングミニ入門

本編に入る前に、アウトライナーとアウトライン・プロセッシングについて簡単におさらいしておきます。

Part1 アウトライナーフリーク的タスク管理論

タスクを扱うツールとしてのアウトライナーの特性を考えることとから、タスクではなく「DO(やりたいこと、やるべきことについての思考)」を扱うアウトラインが生まれます。

Part2 DOの全体像をクリアにする「ALL」

「DOを扱うアウトライン」の第一の機能は、自分が抱えているDOの全体像をクリアにすることです。実際のDOを〈シェイク〉しながら、自分のDOに最適な構造を導き出していきます。

Part3 今日をクリアにする「DAYS」

「DOを扱うアウトライン」の第二の機能は、「今日をクリアにする」ことです。常に変化する状況の中で、今日のDOとその優先順位をクリアにすること、そして一日を通じて流れていく思考をキャッチし、深めていくことです。

Part4 アウトライナーフリーク的タスク管理論・追記

ここまで「DOを扱うアウトライン」を作ってきて、「タスク管理」について、あらためて気づいた点がいくつかありました。後半に入る前に追記しておきます。

Part5 アウトライナーフリーク的「重要なこと」

DAYSでは「重要度にもとづいて」DOに優先順位をつけたはずでした。でも、本当にそうだったのかという違和感が消えないのも事実です。その違和感から、「重要なこと」をクリアにするアウトラインの必要性がわかってきます。そして「重要なこと」をクリアにすることとは、まさに文章を書くことです。

Part6 「重要なこと」をクリアにする「BE」と「AS」

自分の中に眠っている言葉を引き出し、クリアにしていくアウトライン・プロセッシングから、「重要なこと」をクリアにするアウトラインが生まれます。それは優先順位の基準になります。

Part7 「DOのアウトライン」から「ライフのアウトライン」へ

ここまでのアウトラインをあらためて眺めてみると、もはや「DOを扱うアウトライン」とは言えないものになっていることがわかります。

CLEAR(2018)

本編は以上で終わりですが、ライフをクリアにするアウトライン「CLEAR」はその後も変化し続けています。2018年3月現在の内容をあらためて紹介します。

アウトライン・プロセッシングLIFE

朝、その日最初のコーヒーを飲みながらアウトライナーでCLEARを開く ──


すこし、伝わったでしょうか。

ということで、アウトライナー、そしてアウトライン・プロセッシングの深遠な世界に興味のある方は、ぜひ。

なお、「続編」ではありますが、以前の本を読んでない方も楽しめるように、冒頭に「アウトライン・プロセッシングミニ入門」をつけました(しんせつだ!)。

ここ数か月は、(生活のための受注仕事を別にして)本書の作業にかかりっきりになってしまい、6月はWordPiece史上はじめて更新がない月になってしまいました。

7月からは、通常モードに戻ります。しばらくは、本書に関するもろもろについて書きたいと思います。

まずは文章のトーンを元に戻さないと……。