謙虚であるのが難しいこと

おそらく、謙虚であることがもっとも難しい物ごとのひとつは、自らの肉体的・精神的キャパシティだ。

他の面ではとても謙虚な人が、そのことになるとしばしばその謙虚さを発揮しない。

自分に与えられたキャパシティだと当たり前のように思っているものの多くは、「今のところたまたま手元にあるもの」にすぎない。しかもたいていは「若さ」と連動している。そのことに人はなかなか気づけない。

(人は持っていないものには敏感だが、持っているものには鈍感だ)

もちろんそれは宝物だし、人生にはそれを使うべき場面がある。でも、手元にそれがあることを当然の前提として湯水のように使い続けることは、たぶん傲慢だ。

「自らの肉体的・精神的キャパシティに対して謙虚さを発揮しない」ことを、より洗練された言葉で「無理をする」という。