新刊『アウトライン・プロセッシングLIFE』についての話、そのに。
Twitterである方に指摘されたのですが(そして一撃で見抜かれたことに驚いたのですが)、本書には出発点となったブログ記事があります。
こぼれ落ちていくもの、五感を使うこと、ネガティブではないこと
本書は『アウトライン・プロセッシング入門』に出てきた「生活のアウトライン」のパートをふくらませることからスタートしたのですが、全体のトーンというか、感覚のベースになったのは、実は上の記事です。
時間は有限であり、与えられたスペース(時間)からは否応なしにこぼれ落ちていくものがある、でもそれはネガティブなことではないという話。
ちょうどこの時期、強烈に実感していたことです(トシのせいですね)。
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で、この記事には「マンダラート」の話が出てきます。
マンダラートはデザイナーの今泉浩晃さんが開発した発想技法です。
簡単にいうと、正方形の9つのマス目(マンダラ)の中心にテーマを書き、周辺の8つのセルに思いついたこと、考えたことを書いていくというもの。
最近ではメジャーリーガーの大谷翔平選手が実践していたことでずいぶん注目されました。
ぼくは長いこと、アウトライナーと並行してマンダラートを(主に生活ツールとして)使ってきました。いちばん好きだったのは「手帖」でしたが、今でもマンダラートの(iOSアプリの)ユーザーです*1。
自分が「文章を書くこと」を通じて考える傾向があったために、後に(生活ツールとしての用途も)アウトライナーにシフトしていったのですが。
でも、本書は、というか「ライフをアウトラインに乗せる」という発想は、今になって思えばマンダラートの影響を強く受けています*2。
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マンダラートは発想技法であると同時に、一種の生活哲学という側面があります(アカデミックな意味での「哲学」ではなく「人生哲学」的な意味あいです)。
その「生活哲学性」みたいなものを自分なりに解釈したのが、上の「こぼれ落ちていくもの」の記事や、その中に関連記事として出てくる一連の記事です。
ある時期その影響を強く受けたことが、「ライフ」をアウトラインに乗せることにつながったのだと思います。
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今年の3月頃、本書のアウトラインを文字どおり何百回もシェイク(トップダウンとボトムアップを行き来すること)するうちに、「生活」と「人生」という2つの「ライフ」を接続する試み自体がシェイクなのだと思い当たりました。
だからこそ、アウトライン・プロセッシングもまた「生活哲学」なのだと。
それが凝縮されているのが、本書の表紙の「帯」の一文です。
生活(ライフ)は、人生(ライフ)に規定されます。そして人生(ライフ)は、生活(ライフ)の積み重ねに影響を受け、変化していきます。
そのことに気づいてから、ほぼ固まったと思っていた本書の内容はかなり変わりました(そして完成は遅れました( ˘_˘ ))。
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ちなみに本書の中で何か所か、今泉さんの文章をオマージュしている(つもりの)ところがあるのですが、どこかはナイショ。
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今泉浩晃さんの数あるマンダラート関連の著書は入手が困難になっていたのですが、つい最近ひさびさの著作が電子書籍として発売されました。
興味ある方はチェックしてみてください。