『アウトライン・プロセッシングLIFE』について(3) 割り込みへの対処の話

新刊『アウトライン・プロセッシングLIFE』についての話、そのさん。

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本書の「実用サイド」のハイライトのひとつが、DAYSのアウトラインの上で優先順位を常に更新しながら「割り込み」に対処するところです。

後半では「それだけじゃ足りないよね」という話になっていくのですが、とはいえこの方法はなかなかに強力です(ぼく自身、この方法にはずいぶん救われました)。

本書にも書きましたが、割り込みが何度もくり返されるうちに「それまで何をしていたのか、どこに戻ればいいのかさえわからない」、一種の健忘状態に陥ることって、本当に起こるのです。

で、そんな状況に対処するために、DAYSのアウトラインの上で「今何を抱えていて、どんな順番で何に手を付けているのかを視覚化して、どこに戻っていいかわからなくなることを防ぐ」のですが、この部分だけを取り出せば、アウトライナーがなくても実行できます。

ThingsやTodoistのような、リストを自由に並べかえられるタイプのタスク管理アプリはもちろんですが、「紙」でやることもできます。

この方法のヒントになったのは、実はあのGTD(Getting Things Done)のデビッド・アレンさんが紹介していた方法です。

以下の動画で、アレンさん自身が実演しています。日本語字幕はないのですが、見てるだけでもだいたい分かると思う。

自分の優先順位を守りたくても、割り込みが次から次へとやってくる。そんな状況にどうやって対処するか?

割り込みが入ってきたら、今何をしていたか、何の途中だったかをメモ用紙に書く。そしてトレイ(元祖Inbox!)に入れる。もし物理的な対象物があるなら(読んでいた書類とか、作業していたノートとか)、メモといっしょにクリップでとめておく。

更に割り込みが入ってきたら、同じようにメモして、Inboxに入れる(前のメモ一式の上に重ねて置く)。

こうすることで、「中断された作業」が目に見えるようになり、割り込みがくり返されても「In control」であり続けることができる、というもの。

次から次へと割り込みに追われてアウトライナーに書き込んでる暇すらない、というときは(ライフにはそういうことだってあります)、「紙」を使うアレンさんの方法が役に立つかもしれません。

デスクが使えない状況だったら、小型のカードか、ロディアみたいなすぐに切り取れるメモ用紙に書いて順番に束ねて持っておく、でもいいと思います。

おお、今日は実用っぽい。

この種のノウハウは、たしかに役に立ちます。でも対症療法にすぎないというのも事実です。根本的な解決を見出す前に自分が壊れないための、ちょっとした助けにすぎません。

じゃあ、どうしようかとアウトライナーの上で「考える」。それが本書でやりたかったことのひとつです。