普通に親切で、普通にやるべきことをやってくれた

バスの営業所に忘れ物の問い合わせをした。

家に帰ったらけっこう気に入っていたボールペンが見つからず、いろいろ考えるとバスの中で落とした可能性がいちばん高かったのだ。

電話に出た男性に、忘れ物の問い合わせをしたいのですがと伝えた。○○駅から○○駅行きのバスに乗って、○○バス停で何時頃降りました、座っていた場所はいちばん後ろの右側、モノは黒い軸のボールペン。

運行状況を確認したところ、当該のバスはまだ営業所に戻っていません、と営業所の男性は言った。あと20分ほどで戻る予定なので、遺失物の問い合わせについて運転士に伝えます。30分ほどたったらもう一度電話してください。

言われた通り30分後に電話すると同じ男性が出た。バスは先ほど営業所に戻りました。注意して捜索しましたが残念ながらボールペンは見つかりませんでした。

わかりました、ありがとうございます、お忙しいところお手数おかけしましたと言って、電話を切った。

男性の対応はとてもよかった。いわゆるお客様対応の訓練を受けた人のしゃべり方ではないけれど、普通に親切で、普通にやるべきことをやってくれた。

過去の経験や、見聞きする昨今のバス会社のいろんな厳しい現状を考えれば、こういう電話に対する対応が良くなくても特に驚かないし、仕方ないかなと思っている。過度に手厚い「対応」を要求するべきではないこともよく知っている。

でも、この営業所の男性が普通に親切で、普通にやるべきことをやってくれたことによって、間違いなくこのバス会社に対する個人的印象は良くなった。それなりに大きな会社の印象が、たったこれだけのことで変わる。

だからといってぼくのバス関連行動が特に変わったりはしないし、この男性の対応が「仕事」として評価されたりもしないだろう。でも長期的に見れば、けっこう大きな違いを生んでいるのではないかと思う。

ボールペンは実家に忘れてあった。すいません。