ひとりで何かをする定義(一部)

「ひとりで何かをする」ことが好きだし、そうしている人が好き。「みんなで何かをする」ことにはあまり興味がない。

でも「ひとりで何かをしている人たちでいっしょに何かをする」ことは好きだし、そうしている人たちも好き。

「みんなで何かをする」ことと「ひとりで何かをしている人たちでいっしょに何かをする」ことは同じではないかという人がいるが、もちろん違うに決まっている。

港の近くのドトールの、いちばん奥まった隅っこの席でひとり分厚い本(白い表紙のハードカバー。洋書っぽい)を広げて読んでいる女の子がいて、妻とふたりで興味をひかれた。

靴を脱いで椅子の上で足を組み、難しい顔でほおづえをついて一枚一枚ページをめくるその様子からは、「今日はドトールのあの席で本を読むのだ」という強い決意が感じられるという点で妻と一致した。

さらに、きっと来週も同じ時間帯に同じ席にいるのだろうとか、あの席が空いていなかったら別の席に座って空いたら即座に移動してくるのだろうとか、そういう予想を共に展開した。