どこかに決定的な断絶がある

二十歳の頃のことについて、あの頃ってコドモだったよねえという話を妻としていたのだが、もちろんその当時自分たちのことを「コドモだな」と思っていたわけではない。

そのときはそう思っていなかったけれど後から思い出すと明らかにコドモというのが、まあコドモということですよね。

25歳を思い出してもやっぱり「コドモだったな」と思うのだが、35歳については「若かったな」とは思っても「コドモだったな」とは思わない。

ならば25歳と35歳の間のどこかに境目があるはずなのだが、それがどのあたりなのか考えてみてもよくわからない。

25歳から35歳までの間に少しずつ段階的にコドモでなくなっていったようにも感じない。どこかに決定的な断絶があるような気がする。でも、それがどの時点かはわからない。

この「少しずつ段階的に変化したわけではなく、どこかに決定的な断絶がある。でもそれがどの時点かはわからない」という感覚は、人生の後戻りできない重要な変化の多くに共通している気がする。