アナログでは不可能なアナログ的操作

ぼくは本質的にはアナログ世代の人間だから余計にそう感じるのかもしれない。

でも「本当のアナログでは不可能なアナログ的操作を可能にしてくれるのがデジタル」みたいな感覚が確かにある。「昔から本当はやりたかったけれどアナログツール上では無理だった」みたいなこと。

考えてみればアウトライナーというのはまさにそういうツールだ。データをソートするのでもない。条件で抽出するのでもない。手作業で並べ替え、階層化し、結果を見ては何回も修正する。結果としてどんな構造を作るかは「勘所」みたいなものにまかされている。

実にアナログ的だけど、それはアナログ環境では絶対にできない操作なのだ。

個人の知的作業をサポートするデジタルツールには、その種のアナログ的操作を許容してくれる余地みたいなものがとても重要なのではないかと思う(もちろん、デジタル本来の操作がそこに加わってこそでもある)。