「書くためのアウトライン・プロセッシング」フルバージョンと簡易版

『書くためのアウトライン・プロセッシング』では、アウトライナーの機能を生かして発想を引き出し、文章へと変換する技術とプロセスについて書いています。

でも考えてみれば、わたしたちが文章を書くシチュエーションの多くでは、そういうものを必要としないわけです。

新しい発想なんか特に必要とされていない。
書くべきことをとにかく書かなければならない。
別に書きたくはないけれど、なんらかの理由で書かなければならない。

そんなケースの方が多いかもしれません。

『書くためのアウトライン・プロセッシング』では、そんなときに役に立つ「簡易版・書くためのアウトライン・プロセッシング」を紹介しています。

フルバージョンの「書くためのアウトライン・プロセッシング」から、「質的に許容範囲の文章を時間内に楽に書く」部分だけを取り出したのが「簡易版」です。

いわば本編のオマケですが、現実的には本書でもっとも実用的なパートかもしれない。

じゃあ、フルバージョンが必要なニーズなんかどこにもないのかというと、いろいろあると思うわけです。

  • 発想を引き出して文章にしたい。
  • 自分の頭で処理できる規模より大きい(あるいは複雑な)文章を書きたい。
  • 何か伝えたいことがある、でもそれをどう表現していいかわからない。でも伝えたい。
  • 自分自身のために、自分の考えを形にしたい。

そんなとき、そのための「方法」を持っていることには大きな意味があるはずです。

そして仮に簡易版のニーズしかないとしても、フルバージョンを知っているのと知らないのとでは、やはり違いがあります。

本当に新しい発想なんか何も必要とされていないのか、本当にとにかく書くだけでいいのか。まあ、そういう場面はあります(知っています)。

それでも、なのです。