アウトライナーは「動いている」情報を扱う

アウトライナーがもっとも適しているのは「動いている」情報を扱う用途だ。現在進行形、あるいは未来形の情報と言ってもいい。

今書かれつつある文章。
これから書こうと思っている文章。
今考えつつあること。
これから考えようと思っていること。
今生きつつある生活。
これから生きるつもりの人生。

扱う情報自体が「止まって」いたとしても、たとえば何かを学ぶために整理し、体系づけるような用途には、アウトライナーは威力を発揮する(そこでもやはり情報は「動いている」からだ)。

一方で、「止まっている」情報を扱うこと──たとえば蓄積した記録を後から探して参照することとか、レファレンス的な使い方にはそれほど向いていない、と思う。もちろんやろうと思えばできるけれど、それをするならもっと向いたツールが他にある。

Evernoteは、間違いなく「止まっている」情報を扱うことに適したツールだったはずだ。情報を格納しておき、後から引き出して参照する。開発元もユーザーも、そのEvernoteに「動いている」情報までも扱わせようとしていたのではないか(私見です)。

ScrapboxやObsidianはどうだろう。「動いている」情報を扱うことに適したツールと、「止まっている」情報を扱うことに適したツールという分類には当てはまらないかもしれない。

特にScrapboxは、「動いている」情報をアウトライナーとは別のやり方で扱えているように思える。でも「止まっている」情報を同時に扱えている気もする。