「現実の世界では『厚めの薄切り』みたいなことが必要なんですよ」
— Tak. (@takwordpiece) 2023年5月20日
上のツイートの言葉はずっと昔、就活でOB訪問したゼミの先輩のもの。
「薄切りの技術」を学んで身につければ何かの役に立つと思いがちだけど、仕事の世界では「厚めの薄切り」を要求され、評価されるのは「薄切りの技術」そのものはもちろん、「厚め」の按配を求められる。単に薄切りの仕方を学んだだけで通用すると思うなよ、現実の社会はもっと複雑で奥深いんだぞ、というような話だったと思う。
そんな大仰な言い方をすることでもないけど、ぜんぜん間違ってはいないと思った(30年経った今でも覚えているので当時それなりにインパクトがあったのだろう)。
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ぼくは理髪店とか美容室でオーダーするということが苦手で(今でもそう)、結果的に「けっこう伸びたのですっきりと、ても切りすぎずに」みたい頼み方をしてしまう。そんなアバウトな注文にもちゃんと答えてカットしてくれる当時通っていた理髪店の親父さんを「すごいなあプロだなあ」と思っていた。
「厚めの薄切り」という言葉を聞いて真っ先に頭に浮かんだのはその理髪店の親父さんのことだった。
でもあるとき気づいたのは、その親父さんのカットはどんな注文をしても同じということだった。それが嫌ならもっと具体的で実効性のある注文しなければならない。それがぼくがそのとき学んだことだった。
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先輩の言うとおり現実の世界は複雑で奥深いのであり、あらためて「すごいなあプロだなあ」と思ったという話。