Thoughts

動画編集を眺めながら文章について考える

最近、動画編集ソフトのチュートリアル動画や比較動画をよく眺めている。たとえばFinal Cut Pro XとかAdobe Premiere Proとかそういうやつ(もちろんiMovieでも構わない)。 別に動画編集に目覚めたわけではない。 『書くための名前のない技術 case 3 千葉雅…

モードを再現するメモ

書こうと思っても書くことは頭に浮かんでこないくせに、書こうと思っていないときに限って書くことを思いつく。あるいは書けそうな感覚がやってくる。 その場に書くための道具や環境さえあれば、そのまま書けそうな気がする。でも多くの場合それはない。ある…

結果が出る(私的再定義)

結果を出さなきゃ意味がない 駅のホームで「どんなときも結果を出さなきゃ意味がないんだからな」という(かなり強い調子の)声が聞こえてきた。それは中学生くらいの男の子に向けたお父さんの声だった。 具体性のない、一般的な「結果」 「結果を出さなきゃ…

答えが出ないランダムノート

「答えが出ない」なんていうと、あまり良い状況ではないように思えるかもしれない。 ■ 最後まで答えが出ないまま進行して終わること、答えが出ていないにもかかわらず結果としては意外に悪くないということが、世の中にはけっこうある。 ■ 「答えを出さなけ…

仕事をそんなふうに「わかっていた」ことは一度もない

前職では人前で何かをしゃべる機会というのがけっこうたくさんあって、それがとても苦手だった。 企画のプレゼンとかもそうだし、もっと小さい規模で顧客に向かってデータを説明するとか、社内会議でプロジェクトの進行状況や予算の説明をするみたいなことも…

流動的で儚いpiece

アウトライナーは「断片」を扱う。文書や思考やその他アウトライナーで操作の対象とするものの断片だ。 この「断片」という言葉は英語のpieceをイメージしている。以前も書いたことがあるけれど、pieceというのは不思議な言葉で、「部分(正確には切り離され…

ランダムノートについてのテーマを持ったランダムノート

旧WordPieceには「ランダムノート」というジャンルの記事があった。 特にそういうカテゴリーを設けていたわけではないけれど、折りに触れて「ランダムノート」と題された記事が書かれたし、そう題されてはいなくても内容がランダムノートであるという記事は…

後悔ではない切実な何か、どんな年齢にも当てはまる万能のフレーズ

「今になって、ようやくこれができるようになった」という気持ちになることがある。 そんなことを言っても意味はないし、人生に遅すぎるということはない。それでも、今しているようなことを、今しているようなやり方で、もっと早い時期に、もっと若いときに…

手を動かすことで頭と心が起動する

朝おきてコーヒーをいれたら、まずフリーライティングすることにしている。 不思議なことに、手を動かすと頭と心が動き始める。先に手を動かしたほうがいい。頭が先だと頭でっかちになりがちだし、心が先だと感情の掃きだめみたいになりがちだ。 コーヒーを…

お金から始まるアウトラインの成果

「お金」について考え、「仕事」について考え、「友情」について考え、「孤独」について考えた。(文字通りこの順番で考えた)。 いずれも実にありふれた言葉でありながら、一筋縄ではいかない物ごとばかり。 考えるということは、アウトラインを作るという…

恋愛のアウトラインからわかること、今は常に変化すること

たとえば、アウトライナーで「恋愛のアウトライン」をつくるとする。 そこには二人の関係がどんなふうに深まり、どんなふうにステージを踏んで発展していくのかが書かれることになる。 もっと露骨に具体的に言えば、何回目のデートでキスをして、何回目のデ…

書かれる必然性と読まれる必然性

昨日こんなツイートをした。 今は「自分語りは良くないこと」みたいなイメージが強いが、ぼくはたとえ実用書であってもなんらかの形で自分語りを入れることにしているし、読み手としても著者の自分語りが入った本が好きだ。 — Tak. (@takwordpiece) Septembe…

他人の文章を補助線として使う

「何かを書かなければならないけれど書けない」というときにおすすめの方法。 本棚から好きな本を取り出してくる。その中の好きなページを開く。そしてエディタでもアウトライナーでも好きな執筆用のツールを開き、それを書き写していく。いわゆる「写経」と…

枯渇とランダム

意味や目的のある文章ばっかり書いてると、いろいろと枯渇してくる。 意味や目的のある何かは意味や目的のことを特に考えずに書かれたことの中から「結果的に」生まれてくるものだから、意味や目的のある文章ばかり書いていると意味や目的が枯渇してくるのだ…

裏で立ち回る

「裏で立ち回る」というのはあんまりいい響きの言葉ではないし、実際「裏で立ち回る」タイプの人は好きではない。というか「私は裏で立ち回る人が好きだ」という人は少ないだろう。 にもかかわらず、ぼくは「裏で立ち回っている」と誤解されたことが一度なら…

どうやったら人を信じられるか深夜会議

どうやったら人を信じられるか(という意味のこと)についてぼくに訊ねた人がいて、そんな難しいことをぼくに聞く方がどうかしてると思うけど。 ■ 人を信じる方法などなく、ただ信じると決めることしかできない。もちろん裏切られることはある。でも、自分だ…

怒っていることについてのノート

めずらしく怒りにまかせて攻撃的な(当社比)ツイートをするということをした。あまりいいことではなかったと思っているけど、責任を持つという意味で消さないでおく。 興味があるのは、なぜそんなに腹が立ったのかということだ(気がつくと手の指から血が出…

落ちることと落とすこと

目の前に好ましいことや、楽しそうなことや、役に立ちそうなことや、やった方が良さそうなことや、やらなきゃならないことや、責任を負っていることがある。 それらは、わたしたちの関与を要求している。だから関与する。つまり、自分の時間の中にそれらを組…

「結婚はいいぞ」と言わなくなった

誤解のないように書いておくけど、「結婚はいいぞ」と言わなくなっただけであって、そう思わなくなったわけではまったくない。 ■ 十年くらい前まではことあるごとに「結婚はいいぞ」と発言していた。それが比較的早く(と思う)結婚した自分の努めとさえ思っ…

(a sense of) 全盛期

ある後輩からの質問:「自分の全盛期っていつだったと思いますか?」 なぜすでに全盛期を過ぎた前提なんだろうとは思うが(笑)。 じゃあ、この先に全盛期がやってくるのだろうかと考えると、あまり想像がつかない。「常に今が全盛期だぜ!」と強弁する気に…

かわいそうな作文をリライトする

何年か前に旧Word Pieceに書いた「九歳のフリーライティング」という記事。 小学校の作文を書くとき、「頭に浮かんだことをそのまま書けばいい」と言われて本当にその通りにすると、ぜったいに書き直しになるという話。 あらためてそのときの作文を再掲して…

「ひとり」であるためのガイド

20代後半から30代前半にかけて、地方に行くことが仕事みたいなものだった。 いつも収入に不安を抱えていて、家族の健康にも不安を抱えていて、でも不思議と思い出して嫌な感じはしない。 たぶん、「ひとり」でいろんなことをしていたからだ。 その後会社員に…

古き良き時代の話の良きこと

小学生のころ、「オトナになったらなりたい職業アンケート」みたいなものがあって、ぼくはそこに「サラリーマン」と書いた。 特になりたい職業も思いつかなかったので父の職業を書いただけ(いや、サラリーマンは職業じゃないのだが)。 当時のクラスメート…

仕事(として行う行為)と欲望

人間は、欲望と完全に無関係なことを長く続けるようにはできていないのだと思う。 残念ながら多くの人にとっての「仕事」は「欲望と無関係なこと」に該当する。いや、仕事は金銭的報酬を得るためにするはずであり、金銭的報酬は欲望を満たすための大切な要素…

人と仕事をすること

自分には人と共同で仕事をすることに関するトラウマみたいなものがあるのかもしれない、と思う。 若い頃は人のやり方に全面的に合わせるか、自分のやり方で突っ走るかしかできなかった。どっちもあまり良い結果は生まなかった(主として感情的な面で)。 そ…

できることとできないことのピース

人はできることしかできないのだからできることから始めるしかない ■ できないことに挑戦するのは尊いことだ人はできることしかできない ■ そのはざま ■ できるようにならなければならないできるようになれるはずだできるようになりたいできないとはずかしい…

アナザーサイド

テレビは下らない、とその人は言う。 わたしは(概ね)同意する。 どの番組のどこがどのように下らないかをその人は克明に描写する。 テレビに詳しいんだなあとわたしは感心する。 ■ 立派な行いをしたり、優れた成果をあげた日本人がいるという事実が、なぜ…

リスペクト

わたしの闘いを他人は知らない。他人の闘いをわたしは知らない。あなたの闘いを他人は知らない。他人の闘いをあなたは知らない。わたしの闘いをあなたは知らない。あなたの闘いをわたしは知らない。知っていることは知らないことだけ。だからリスペクトでき…

たぬきと存在

幼稚園に通っていた頃、「家でたぬきを飼っている」と主張して先生に怒られたことがある。みんなの前で「嘘はよくないわね」というようなことを言われた。 ぼくは嘘などついていなかった。ぼくの家では「たぬき」という名前の猫を飼っていたのだ。 ■ 家に帰…

道具と方法論を持たなかった父の断片への敬意

父の遺品を整理していて、父が膨大な量の文章を書き残していたことを知る。 正確にいうと、文章というよりも文章の断片。書こうとした論文の原稿、書こうとした本の原稿、やろうとした翻訳の原稿、まとめようとした考察の原稿、その下書き、メモや覚え書き、…